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北朝鮮被爆者健診 来年度以降に延期 渡航困難で広島県医師会

■記者 東海右佐衛門直柄

 広島県医師会は7日、北朝鮮在住の被爆者の健康診断を来年度以降に延期することを明らかにした。初の試みとして11月に医師団が現地を訪問する予定だったが、5月末の北朝鮮の核実験で日本政府が制裁を強化。民間レベルの渡航は困難と判断した。

 昨年9月、県医師会は北朝鮮の被爆者の調査のため8人の医師団を現地に派遣し、健診について合意。今年11月に内科や循環器などの専門医4、5人が再び訪朝、平壌の金満有病院など2カ所で実施する計画を立てた。

 しかし、北朝鮮への制裁を強めた日本政府側から7月、「民間レベルでの交流事業は困難」と連絡があったという。その後、医師会内部で延期を決めた。

 県医師会によると、北朝鮮の被爆者は約380人とされ、日本と国交がなく、援護策から取り残された状態が続く。碓井静照会長は「被爆者はどこにいようが被爆者。来夏までに訪朝できるよう政府に働きかけたい」としている。

(2009年9月8日朝刊掲載)

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