原爆ドーム 「補修の必要なし」 広島市が調査結果
09年9月9日
■記者 水川恭輔
広島市は8日、世界遺産・原爆ドーム(中区)の健全度調査の結果を公表した。壁や窓枠のひび割れは前回調査時より増えたものの、「緊急の補修が必要となる傾きや沈下はない」と判断した。
調査は1992年度から実施し、6回目。市は昨年11月から3月に、外観▽沈下量▽鉛直度▽透水▽その他―の5項目を点検した。
壁は、れんがのひび割れ(幅0.3ミリ以上3.0ミリ未満)の総延長が、26.7メートルと2005~06年の前回調査から倍増。透水量も増していた。ただ、市公園整備課は「本体に影響するほどの大きな劣化は認められない」と説明。ドーム東側に立つエノキの根も、基礎に悪影響を与えていないことを確認した。
市はこの日、史跡原爆ドーム保存技術指導委員会(委員長・飯田喜四郎名古屋大名誉教授)の委員に現地で説明。委員からは「劣化れんがを取り換える発想も必要」「さびが目立つ部分の科学的分析を」との意見が出た。
市はドームの現状を保つ観点から一定の経年劣化は容認し、大規模改修は極力避ける方針。調査と委員の意見を保存計画に反映する。
(2009年9月9日朝刊掲載)
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調査は1992年度から実施し、6回目。市は昨年11月から3月に、外観▽沈下量▽鉛直度▽透水▽その他―の5項目を点検した。
壁は、れんがのひび割れ(幅0.3ミリ以上3.0ミリ未満)の総延長が、26.7メートルと2005~06年の前回調査から倍増。透水量も増していた。ただ、市公園整備課は「本体に影響するほどの大きな劣化は認められない」と説明。ドーム東側に立つエノキの根も、基礎に悪影響を与えていないことを確認した。
市はこの日、史跡原爆ドーム保存技術指導委員会(委員長・飯田喜四郎名古屋大名誉教授)の委員に現地で説明。委員からは「劣化れんがを取り換える発想も必要」「さびが目立つ部分の科学的分析を」との意見が出た。
市はドームの現状を保つ観点から一定の経年劣化は容認し、大規模改修は極力避ける方針。調査と委員の意見を保存計画に反映する。
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