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核密約 調査を表明 鳩山氏、米に協力要請も

 民主党の鳩山由紀夫代表は10日夜、米軍の核搭載艦船の日本通過・寄港を黙認していた日米両政府の「核密約」問題について、新政権発足後に実態解明に向け調査を実施し、結果を公表する考えを表明した。

 鳩山氏は党本部で記者団に「核密約に関し、いろいろと疑惑が出ている。真相を国民に明らかにしたい。調査する。結果が出た段階で国民にお知らせする」と明言した。

 新政権発足後、外務省の事務当局に調査を指示、米国にも調査への協力を求める考え。今月23日を軸に調整中の日米首脳会談で、オバマ米大統領に考えを伝える方向だ。

 外務省は「密約は存在しない」との見解を崩していないが、政権交代が決まったのを受け「新しい政権になったときに指示を仰ぎながら必要な対応を取る」(藪中三十二事務次官)と調査に協力する姿勢を示している。調査の進展によっては政府見解が変更される可能性も出てきた。

 これに先立ち鳩山氏は岡田克也幹事長とともに、共産党の志位和夫委員長と国会内で会談。核密約の調査を求めた志位氏に「真相究明は何よりも大事だ」と強調。岡田氏も「私も(真相を)明らかにすべきだとの立場だ」と表明した。

 志位氏は「核密約を調査し、日本に持ち込ませないよう取り組むとした、これまでの鳩山氏の発言を評価する」と述べ、米政府が過去に公開しながら現在は非公開扱いにしている関連資料を鳩山氏らに提供した。

 核密約は、1960年改定の日米安保条約で定めた「事前協議」の対象に、核を搭載した米軍の艦船と飛行機の日本への通過・寄港、飛来は含めないとした秘密合意。共同通信の取材に対し、事務次官経験者4人が関連文書の存在などを認め、官僚側の判断で一部の首相、外相には説明していたと証言した。

(共同通信配信、2009年9月11日朝刊掲載)

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