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社説・コラム

広島カープの4番打者・栗原選手がブログで平和発信

■記者 五反田康彦

 広島東洋カープにも個人ブログを開設する選手は多い。正直に言えば、やめてほしいと思っていた。日常生活や心情をブログで発信。担当記者の仕事が減る。そんな不満を持ちながら、その日も栗原健太選手のブログをチェック。思わず見入った。題名に「8月6日。」とあった。

 「広島の人は小さい時から当たり前のように平和学習をし、平和を考えているそうです。僕なんか8月6日さえも知りませんでした。(略)8月6日をいい機会に平和を探してみたいと思います。戦争のつめ跡を残した広島から広島市民の手で生まれた広島東洋カープ。その選手であることに誇りをもっています」

 山形生まれの栗原は、これまで原爆資料館に行ったことはなく、行くつもりもなかった。だが広島出身の夫人に「絶対行って」としかられた。娘が生まれ将来の平和をより願うようにもなった。ナイター明けの8月6日、早起きし、初めて8時15分に黙とうした。

 広島の4番打者は野球だけを考えているのではない。それが誇らしい。「休日は資料館に行かないとね」。当日のブログはファンの書き込みが過去最高となり、平和への意見が相次いだ。前言撤回。ブログも悪くない。

(2008年8月23日)

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