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第1次広島訴訟が終結 原爆症認定 原告、控訴取り下げ

■記者 野田華奈子

 原爆症認定の第1次広島訴訟の控訴審口頭弁論が16日、広島高裁であり、原告側は、政府と日本被団協が訴訟の終結で合意したのを受け、原告41人全員の控訴を取り下げた。一審敗訴の国側は既に控訴を取り下げており、全国の集団訴訟で合意後、初めて終結した。

 意見陳述で広島訴訟弁護団の佐々木猛也団長は「敗訴原告を救済する議員立法の内容や原爆症の認定審査のあり方など課題は残る」と指摘。新政権発足後の民主党や各政党の協力に期待を寄せた。

 会見で、弁護団の二国則昭事務局長は「被爆者認定行政の転換の始まり」とし、今後も厚生労働相との定期協議で認定制度の改善を求めていく姿勢を示した。広島原告団の玉本晴英副団長は「敗訴原告が救済されるまで頑張りたい」と述べた。

 第1次広島訴訟は2006年8月の広島地裁判決で原告全員を原爆症と認定。一連の集団訴訟で国が19回連続で敗訴した司法判断を経て今年8月6日、当時の麻生太郎首相と日本被団協が終結の確認書を交わした。集団訴訟で敗訴した原告については議員立法で設立する基金で解決金が支払われる見通しで、原告全員の救済が実現する。

(2009年9月17日朝刊掲載)

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