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今も続く後悔の念 水にまつわる被爆体験記

■記者 森田裕美

 原爆投下直後の水にまつわる被爆体験記を集めた企画展「しまってはいけない記憶-水を求められて」が、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(中区)で開かれている。来年3月末まで。入場無料。

 祈念館所蔵の27編と、原爆資料館(中区)の収蔵資料11点を展示。体験記を開くと、そばにある画面に手記の解説や当時の様子を描いた絵が表示される。水を与えても与えなくても、救えなかった多くの命。自分の対応を悔やみ続けている被爆者も多く、手記にその苦悩がにじむ。

 祈念館が所蔵する手記は約11万5000件。炎の中を逃げる途中瀕死(ひんし)の被災者から水を求められた体験を記した手記が目立つ。今回の展示では「より多くの人に伝わる文面」を選んだ。

 祈念館は「原爆投下の瞬間だけでなく、今なお続く苦しみを読み取ってほしい」としている。

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