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社説・コラム

『永田町発』 核廃絶へ国会議員の役割 民主党 平岡秀夫氏に聞く

■記者 岡田浩平

 核拡散防止条約(NPT)再検討会議に合わせて渡米し、各国の議員や非政府組織(NGO)と意見交換した民主党核軍縮促進議連事務局長の平岡秀夫氏(山口2区)に核兵器廃絶へ国会の果たす役割などを聞いた。

 ―日韓の国会議員で共同声明を出した北東アジアの非核化についての手応えは。
 昨年にNPTの準備会合の関連行事で提唱後、韓国の国会議員と協議を重ね、今回は声明に日本から86人、韓国から7人が賛同した。市民フォーラムで提案し再検討会議へも勧告した。クリントン米国務長官は各地の非核兵器地帯条約を評価している。実現の可能性は以前より高くなったと感じている。

  ―どう進めますか。
 少なくとも韓国と日本が合意しなければ前に進まない。韓国との連携が重要だ。特に国連の潘(バン)基文(キムン)事務総長は在韓被爆者の存在に触れ、被爆者に対する親近感をもって演説していた。韓国の国会議員に事務総長への働き掛けを頼んでいる。問題は北朝鮮だが、核の放棄を北朝鮮がした後、北東アジアをどういう地域にするのかを示すのが大事だと思う。

 ―核兵器廃絶へ国会議員の役割は。
 会合では核保有国をはじめ大国の姿が見えず、小国や中堅の国が一生懸命発言していた。国会議員がNPTや核保有国を動かす力になるのは難しいかもしれないが、せめて北東アジアでは議員の力を結集したい。

 ―被爆国としての日本政府の存在感は感じましたか。
 会議へ目新しい提案はなく米国に追従していると感じた。被爆国としてもっと踏み込んだ提案をできるのではないか。28日の会期末までに首相や外相がリーダーシップを発揮できる場面があればぜひ出席してほしい。

(2010年5月16日朝刊掲載)

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