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07年度の原爆資料館入館者数 10年ぶり130万人超

■記者 岡田浩平

 広島平和文化センターは15日、原爆資料館(広島市中区)の2007年度入館者数が、前年度比8.0%増の133万9400人になったと発表した。3年連続の増加で10年ぶりに130万人台に達した。外国人が大きく伸びたと同時に、世界遺産登録された石見銀山遺跡(大田市)の観光効果も波及したとみられる。

 入館者の内訳で目立つのは4年連続で過去最多となった外国人の増加ぶり。前年度比で約2万5000人、17.2%増の17万4815人を記録した。

 外国人の入館者は、01年の9・11米中枢同時テロを境に増加傾向が顕著となり、昨年度について同センターは「フランスで発行された日本旅行ガイド本で高評価された点や円安も追い風になった」と分析している。

 全入館者数は1990年代、減少基調だったが、05年度の被爆60周年を機に上昇に転じた。07年度も傾向は続き、ピークだった91年(159万3280人)の8割強まで戻した。前田耕一郎館長は「石見銀山への入り口として広島に立ち寄る観光客が増えた」とみる。

 ただ、修学旅行者数は前年度比1.4%減の29万8803人で、83年の統計開始以来初めて30万人を割り込んだ。少子化も背景にありそう。

 国の広島原爆死没者追悼平和祈念館(中区)の入館者数は21万508人。前年度比2.9%アップで2年ぶりに増えた。原爆犠牲者の遺影登録数(名前だけも含む)は初めて1000人を割り込み724人だった。

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