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「核なき世界」決議 非難 北朝鮮「全面的に排撃」

 北朝鮮の外務省報道官は30日、国連安全保障理事会が24日採択した「核のない世界」に関する決議を「全面的に排撃する」と非難し「決議には少しも拘束されない」と朝鮮中央通信を通じて表明した。同決議に対し、北朝鮮が公式な立場を明らかにしたのは初めて。6カ国協議への復帰問題には触れなかった。

 報道官は「朝鮮半島非核化と核のない世界建設」は「わが人民の念願」とした上で「米国の(対北朝鮮)核政策との関連の中で朝鮮半島の非核化実現のため努力する」と主張。朝鮮半島の核問題は、あくまで対米交渉のカードとする立場をあらためて鮮明にした。

 決議について報道官は「核を保有する大国の一方的な要求を列挙したものだ」と指摘。「世界の非核化の看板の下で、核の独占による支配を維持しようとする核列強(核保有国)の野望で一貫している」と批判した。

 さらに「半世紀以上続く米国の核の脅威に立ち向かい、やむを得ず保有せざるを得なくなったのが、われわれの核抑止力だ」と主張。「われわれを核保有へと追いやった(米国の核という)根源が存在する限り、われわれの核兵器放棄は夢にも思うことはできない」と述べ、核拡散防止条約(NPT)への復帰も拒否した。

(共同通信配信、2009年10月1日朝刊掲載)

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