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「核」解決 話し合いで 次期IAEA事務局長 天野氏、京都で講演

■記者 林淳一郎

 「核の番人」と呼ばれる国際原子力機関(IAEA)事務局長に12月に就任する天野之弥(ゆきや)氏(62)が2日、京都市右京区の京都外国語大で講演した。「広島、長崎の経験を踏まえて核兵器に反対し、核拡散に対抗したい」と日本人初の事務局長としての責任を強調した。

 北朝鮮の核実験強行やイランのウラン濃縮活動を懸念したうえで「話し合い以外に解決できない」と指摘。北朝鮮については6カ国協議を「一点の明かり」として再開に期待をつないだ。また、「国際的に中立なIAEAの査察が一番いい」と述べ、核施設の無能力化の検証などに引き続き取り組む意欲を示した。

 原子力の平和利用による世界のエネルギー問題への貢献や、がん治療などへの放射線利用についても推進する考えを明らかにした。  また、講演後に記者会見し「招かれることがあれば広島、長崎の(原爆の日の)式典に参列したい」とも語った。  講演は京都外国語大が主催し、学生や市民約300人が聴講した。

(2009年10月3日朝刊掲載)

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