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第2の濃縮施設 イラン、核査察に同意 オバマ氏「建設的始まり」

 核開発疑惑を指摘されながらウラン濃縮を続けるイランと、濃縮停止を求める国連安全保障理事会の常任理事国など6カ国の交渉の会合が1日、スイスのジュネーブ近郊で開かれた。欧州連合(EU)のソラナ共通外交・安全保障上級代表は会合終了後に記者会見し、2カ所目の濃縮施設についてイランが国際原子力機関(IAEA)に完全かつ即座に協力する意向を表明したと述べた。

 ロシア国営テレビはロシア外務省高官の話として、イランがIAEAの査察受け入れに同意し、エルバラダイ事務局長が3日にもイランを訪問すると報じた。

 オバマ米大統領は1日、記者団に対し、交渉を「建設的な始まり」と評価。イランが査察受け入れに同意したことを受けて「2週間以内に無制限の立ち入りを許可しなければならない」と述べた。交渉はオバマ政権発足後初めて。ソラナ氏によると、次回会合は10月末までに開くことで合意したという。

 また、2日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、イランが申告済み濃縮ウランの大半を輸送することに合意したのは「欧米諸国にとり大きな外交成果になる」と報道。申告済み濃縮ウランの約75%にあたる約1・2トンがロシア、フランスに輸送され、イランで医療用アイソトープ製造用の原子炉に燃料として使用するために濃度約20%に再処理されるという。

(共同通信配信、2009年10月3日朝刊掲載)

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