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「体験 大統領に伝える」 ルース米大使 平和公園を訪問 広島

■記者 明知隼二

 米国のジョン・ルース駐日大使が4日、広島市中区の平和記念公園を訪れた。原爆慰霊碑に花を手向け、原爆資料館を見学した。

 ルース大使は家族とともに、秋葉忠利広島市長の案内で同公園内を見学。原爆慰霊碑前では、碑文に関する秋葉市長の説明にうなずきながら聞き入っていた。原爆の子の像では、息子のデービッドさんとともに親子をイメージした大小の折り鶴をささげた。

 その後、原爆資料館を見学。前田耕一郎館長によると、大使は被爆前後のパノラマや遺品、放射線の解説など、じっくりと説明文を読みながら展示を巡った。見学後、大使は「広島は訪れるものに、核兵器の破壊的性格を強力に思い起こさせる。そして、ともに力を合わせ、核のない世界の平和と安全保障を求めることの大切さを強く感じさせてくれる」と感想を述べた。

 広島市が繰り返し求めているオバマ米大統領の広島訪問について大使から市長に明確な回答はなかったが、大使は「広島での体験をオバマ大統領に伝えたい」と語ったという。市長は「大使とは大変良いコミュニケーションが取れた。これからいろいろな場面で率直な話ができるだろう」と話していた。

(2009年10月5日朝刊掲載)

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