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広島訪問 オバマ氏に近く助言 米大使「被爆地に感動」

 米国のルース駐日大使は13日、都内の大使公邸で共同通信と会見し、今月4日に被爆地広島を訪れた体験を踏まえ、来年以降のオバマ大統領による被爆地訪問の是非について、近く大統領本人に自身の見解を伝達したいとの立場を表明した。

 大使は自身の広島訪問について「深く感動した」と強調。オバマ氏の訪問については「最終的には大統領が決断する」とする一方で、「大統領は核軍縮や核不拡散の目標に深く関与している」とも述べ、「核なき世界」を提唱する大統領の被爆地訪問の可能性に含みを持たせた。

 また広島、長崎両市による2020年の五輪招致表明に関し「素晴らしいことだ。両市長の努力を称賛したい」と述べた。

 来月訪日するオバマ大統領が今回、被爆地を訪問する予定はないが、アジア太平洋経済協力会議(APEC)が横浜で開かれる来年秋など、比較的長い滞在期間を利用した訪問実現に期待感が出ている。核廃絶構想が評価された大統領のノーベル平和賞受賞決定も〝追い風〟となって、被爆地訪問を求める日本の国内世論が今後高まりそうだ。

 大使は着任早々、広島を訪れた理由について「私の考え方を大統領に提示するに当たり、原爆資料館などを見学し、私自身が目撃者になることが重要だと考えた」と言明。

 大統領への助言内容には踏み込まなかったが、「大統領と話すのを楽しみにしている」と述べた。

(共同通信配信、2009年10月14日朝刊掲載)

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