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社説・コラム

美術散歩 はがき 反核の意志刻む

 人々が平和への思いを手書きのメッセージやイラストでつづり、世界各地から投函(とうかん)したはがきを中心にしたインスタレーション。一枚一枚には、広島に原爆が投下された年日時を起点とする「ヒロシマ時刻」が印字されている。

 2000年から続ける参加型アート。ヒロシマを振り返り、未来の社会を考えよう―と呼び掛け、賛同の輪を広げてきた。3・11以降は「フクシマ時刻」も併記。福島県の被災者や、岩手県出身の彫刻家舟越桂さんもはがきを寄せている。人々の反核の意志を刻む作品は、社会におけるアートの役割と可能性を考えさせる。

 1957年、島根県六日市町(現吉賀町)生まれ。広島市安佐北区在住。公募「広島の美術」大賞、広島県民文化奨励賞など受賞。(西村文)

◎原仲裕三(こうそう) ヒロシマ時刻
 26日まで。三次市三良坂町、三良坂平和美術館

(2012年8月22日朝刊掲載)

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