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「核の非人道性強調を」 不拡散委 討議スタート 広島

■記者 吉原圭介、金崎由美

 広島市で開かれている核不拡散・核軍縮に関する国際委員会(ICNND)最終会合は18日、中区のホテルで、年内にもまとめる報告書をめぐり実質的な討議を始めた。前日に被爆体験を聞くなど原爆被害に触れたメンバーからは「核兵器の非人道性について強い表現で盛り込みたい」などの意見が出た。

 16カ国25人の元政府高官らが出席。冒頭、共同議長の川口順子元外相は「市民社会から『こう取り組めば最終目標の到達点が見えてくる』と思われる報告書を」と抱負を述べ、もう一人の共同議長、オーストラリアのギャレス・エバンズ元外相は「これから3日間の議論が大きな鍵になる」と強調した。

 その後の討議は非公開。関係者によると、報告書の最終草案は、なぜ今このリポートを出すか▽核兵器のリスク▽核軍縮・核不拡散・平和利用▽行動計画―を柱とする20章で構成し、この日は6章までを議論した。

 核抑止については「冷戦時代とは異なり今後は効果は期待できない」などと実効性を疑問視する意見のほか、冷戦時代の核抑止の効力についても否定的な声が出た。また「市民社会が政府に対し、核兵器廃絶へ向けた圧力をかけることが重要」との指摘もあったという。  この日の会合を終えた川口氏は「集中して議論できた」と述べた。討議は20日まで続ける。

(2009年10月19日朝刊掲載)

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