×

社説・コラム

『スポットライト』 脱原発 企業に方策提案

エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議世話役代表

鈴木悌介さん(56)=神奈川県小田原市

 「原発の反対運動は対立軸を生む。それよりも、新しい現実をつくる方向に動こう」。2日、大学教授や弁護士でつくる実行委員会が松江市で開いた脱原発集会で講演。再生可能エネルギーの普及で、原発の発電比率を減らす必要性を訴えた。

 「経済界にも脱原発の声はある」。3月、全国の中小企業経営者たち約300人で新エネルギーのあり方を探るネットワーク組織を設立、世話役代表に就いた。「企業が取り組めるエネルギー自給の仕組みを提案したい」と、10月には地元の小田原市で太陽光発電事業を手掛ける新会社も発足させる。

 かまぼこメーカーの副社長を務める。今夏は発光ダイオード(LED)照明の採用など自社工場で節電を試し「工夫次第で15、20%と順次クリアできた」と振り返る。

 その上で、脱原発に伴う経済縮小論を否定する。「企業が電気の使い方を見直す流れが広まれば、エコビジネスが新たな産業分野となる」(樋口浩二)

(2012年9月6日朝刊掲載)

年別アーカイブ