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社説・コラム

低空飛行 国の姿勢疑問

 9月27日正午前、またも米軍機が広島県三次市作木町の作木小などの上空を飛行した。

 関係者によると、昨年12月20日にFA18戦闘攻撃機2機が飛んだ高度よりはやや高め。だが、小学校のグラウンドにはあの時と同様に児童がいた。激しい爆音を響かせる理不尽な飛行だった。

 低空飛行問題をめぐる国の姿勢で解せないことがある。県が昨年12月の飛行を受けて外務、防衛両省に中止要請書を送った際、作木小上空での超低空飛行に関し、日米合意が守られていたかどうかの見解をただした。

 県や市が主張するように明らかな合意違反の飛行であり、はっきりと見解を表明すればいいと思うが、10カ月たった今も公式な回答はないという。米側への遠慮がにじむ。

 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの沖縄配備が問題になっている昨今。国はもっと国民寄りの姿勢で対応すべきだ。(桜井邦彦)

(2012年10月24日朝刊掲載)

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