×

ニュース

不拡散委報告書 「期待外れ」落胆の声 広島の被爆者・市民団体

■記者 村島健輔

 20日閉幕した核不拡散・核軍縮に関する国際委員会(ICNND)が核兵器廃絶の目標年次を報告書に盛り込まないことに対し、広島の被爆者や市民団体代表らは落胆の声を漏らした。

 広島を訪れた委員会メンバーに今回、被爆体験を語った元原爆資料館館長の高橋昭博さん(78)は「証言した後に握手を求められ、反応は良かったのに。核保有国にインパクトを与える数字を盛り込んでほしかった。被爆地で開いた意味がなく、期待外れだ」と嘆いた。

 「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」の森滝春子共同代表(70)は「報告書の提言は先導的でなければならないのに、現実に縛られすぎている」と指摘。2012年までに核兵器を半減する米政府の方針を引き合いに「このままでは現実に追い越される」と苦言を呈した。

(2009年10月21日朝刊掲載)

年別アーカイブ