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社説・コラム

閣僚に聞く 岸田文雄/外相

核軍縮へ積み重ね大切

 ―非核三原則を堅持しますか。
 非核三原則は歴代内閣が大事にしてきた大変重要な原則だと認識している。これからも守っていかなければいけない。見直しについて議論はしてない。

 ―被爆地選出の外相として、核軍縮外交をどう進めますか。
 (非核兵器保有国でつくる)「軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)」は大切なグループだ。2014年には広島市で外相会談が予定されている。この枠組みをしっかり利用して国際社会に発信していかねばならない。

 核拡散防止条約(NPT)体制の強化などさまざまな課題はあるが、現実的、具体的なものを積み重ねる姿勢が大事だと思う。そのためにもNPDIは重要だ。

 ―右寄りともされる安倍内閣で、穏健保守の「宏池会」会長としての姿勢は。
 安倍内閣が右寄りという評価があるのは認識している。ただ、国としてやるべきことはやるという部分もしっかり説明していかねばならない。国民や、国際社会がどう受け止めるかもあるので、私の立場ではウイングの広さ、バランス感覚も示し、安心感につながる役割を果たしたい。

  ―沖縄県・尖閣諸島をめぐり緊張が続く日中関係の改善策は。
 尖閣諸島は歴史的にも、国際法上もわが国の領土であるのは間違いなく、断固たる姿勢で臨まないといけない。一方、日中は大切な2国間関係だ。さまざまなテーマでより関係を強化し、幅を広げることが大切だ。大きな視点の中で、両国間に横たわる具体的課題を考える姿勢が重要だ。

 ―集団的自衛権の行使についての考えは。
 安倍晋三首相の考え方も確認しながら関係省庁で議論し、内閣全体で取り組む課題だ。内閣の一員として、首相の考え、内閣の方針に従い、努力していかねばならない。(岡田浩平)

(2012年12月29日朝刊掲載)

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