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社説・コラム

閣僚に聞く 茂木敏充/経済産業相

原発安全基準を厳格化

  ―原子力、エネルギー政策は変わりますか。
 電力の安定的供給を確保するというのが基本スタンス。民主党政権は、根拠もなしに「2030年代に原発ゼロを目指す」とした。われわれは3年間、省エネ、再生可能エネルギーの最大限の活用を図りながら、原発の再稼働は独立性を持った原子力規制委員会の判断に委ねる。

 ―自民党は原子力利用を推進してきましたが、変化はありますか。
 反省を踏まえ安全基準を国際基準に沿って厳格化する。原子力の利用と規制も分離した。利用側の経産相として規制委の検証や評価に予断を与えることは決してしない。

 ―自民党が3年以内に再稼働の是非を判断するとする一方で、規制委側は「3年では無理だ」と見解が分かれています。
 安全性の審査が2年半とみて3年程度と想定した。ただ時間が必要なら規制委の判断に任せる。

 ―原発の新設計画を再検討する意向を示しましたが、真意は。
 (新設原発は)今の段階で十分な知見や安全性の技術の確認ができていない。イエス、ノーを判断するのは拙速だ。今ある原発の安全性のチェックをする中で技術的な水準が高まり、知見が蓄積された段階で(新設計画を)進めるべきかそうでないかが決まっていく。

 ―電力制度改革をいかに進めますか。
 方向性は明らか。電力の自由化の推進、送配電部門の中立性向上、広域系統運用の拡大を中心に電力システム改革を進める。ただ、料金規制の撤廃や発送電分離をどこまで、どのタイミングで進めるかは、もう一度検証しなければならない。

 ―環太平洋連携協定(TPP)の事前協議にどう臨みますか。
 前政権は、「聖域なき関税撤廃」を前提として前のめりになった初動にミスがあった。(各国が慎重な取り扱いを求める)「センシティブ品目」がない交渉はありえない。(山本洋子)

(2012年12月29日朝刊掲載)

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