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社説・コラム

『スポットライト』 受講者と一緒に勉強

原発を考える連続講座でホスト役を務めるシンガー・ソングライター

浜田真理子さん(48)=松江市

 「私も分からないことばかり。一緒に勉強するというスタンスです」。島根県松江市のNPO法人サードプレイス研究会が、4~9月に毎月1回開く原子力発電に関する連続講座「スクールMARIKO」で、研究者や福島県出身の詩人たち各界のゲストを招き対談する。

 福島第1原発事故以降、友人のミュージシャン大友良英さんたちが、故郷の福島県でイベント開催などに取り組む様子を見てきた。「故郷への思いや葛藤など共感する部分もあり、松江でも何かできないかと思った」

 当初は大友さんたちの活動を追った映画の上映会を考えていた。だが、NPOのメンバーと議論するうち、中国電力島根原子力発電所が立地する松江市で、原発の基礎知識や背景を学ぶ連続講座を開催することに決めた。

 講座を通じ、性急に「反原発」を訴えるつもりはない。「地域の財政や雇用、施設の整備など、誰もが恩恵を受けてきた。だからこそ、ここに原発があるそもそもの背景にまでさかのぼってみたい」と考えている。

 ホスト役は「私のキャラじゃない」と思う。すぐに社会に変化が起きるとも思っていない。「そんな簡単な仕組みじゃない。でも、考えることから始めたい」(明知隼二)

(2013年2月25日朝刊掲載)

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