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核削減目標「2000発以下」 ICNND報告書 

■記者 漆原毅

 核不拡散・核軍縮に関する国際委員会(ICNND)の共同議長を務める川口順子元外相は23日、外務省で会見し、核兵器廃絶への削減目標について、最終討議となった広島会合では「2025年までに全世界で2千発以下とすることで実質的に合意していた」と明らかにした。来年1月発表予定の核兵器廃絶への道筋を示す報告書に盛り込む。

 説明では、核超大国の米国、ロシアがそれぞれ500発まで削減し、その他の核保有国は合わせて最大千発とする。実現すれば、現在2万発以上ある核兵器は90%強の減少となる。川口氏はあらためて「非常に野心的な目標」と強調。「米ロを中心に減らしてもらう内容だが、他の核保有国も現状維持でいいという発想は全くない」と説明した。

 しかし、草案段階の目標数は「総数で千発以下」としていただけに、広島会合での討議を通じて後退したことは否めない。

 広島会合は17日から広島市内で開催。閉幕した20日の会見では、2025年時点の具体的な削減数値を明確にしていなかった。

(2009年10月24日朝刊掲載)

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