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社説・コラム

『ひと・とき』 韓国俳優 ユン・テヨンさん

友好の土台築きたい

 「韓日を結ぶ懸け橋になるといい」。1日公開されたドキュメンタリー映画「李芸(りげい) 最初の朝鮮通信使」に出演。14日まで上映する広島市中区のサロンシネマでの舞台あいさつで願いを込めた。

 映画では、600年前、日朝交流に人生をささげた朝鮮通信使の始祖・李芸の足跡をたどる。昨夏のロケでは、福山市や呉市など中国地方のゆかりの地も訪れ、「美しい景色と親切な人、おいしい魚が印象的だった」と顔をほころばせる。

 撮影の最中には、当時の李明博(イミョンバク)大統領が島根県の竹島(韓国名・独島(トクト))に上陸。両国間に緊張が走り、撮影は一時中断した。「政治家の発言でお互いの関係が悪くなるのは切ない。大事なのは国と国ではなく国民と国民のつながりだ」

 日本で韓国のドラマや歌手が人気を集め、韓国でも日本の映画やアニメが注目される中、俳優としての熱い思いを抱く。「李芸のように、将来の韓日関係の土台を築きたい」(松本大典)

(2013年6月6日朝刊掲載)

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