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「サダコ小」存続 募金訴え パキスタンでNGO建設 

■記者 田中美千子

 復興を遂げたヒロシマにならい、紛争や地震で貧困にあえぐ子どものための学校を建設したパキスタン北東部の非政府組織(NGO)を支えるため、広島市西区の会社員原田智佳さん(25)が、募金活動に努めている。「希望の火を消さないよう、運営資金集めに協力してほしい」と訴えている。

 校名は「サダコ小学校」。同国とインドが領有権をめぐって対立するアザド・カシミール州の州都ムザファラバード市郊外にある。2005年10月の地震では市の総人口の9割が被災した。2008年8月に開校。貧困家庭の子ども120人が通う。住民が手弁当で運営するが、資金不足で存続の危機にある。

 原田さんは被災後の2006年6~10月、広島市のNPO法人「ANT―Hiroshima(アント・ヒロシマ)」のメンバー2人と現地を訪問。衛生管理や学校へのスポーツ教材の寄贈などの支援活動をした。

 併せて、NPOが作成したウルドゥー語の絵本「サダコの祈り」も配った。原爆による白血病に苦しみながら、希望を失わなかった佐々木禎子さんと、復興を果たした被爆地の姿が共感を呼んだ。「ヒロシマに続け」を合言葉に、住民がNGOをつくり、サダコ小学校を建てた。

 原田さんは今春、小学校の教員の給与支払いもままならない窮状を知り、ANT内に支援組織をつくった。原田さんは「広島に触発され、奮起した住民を後押ししたい」と話している。支援金は1口千円。郵便振替(口座番号01350―7―100532)で受け付ける。ANTTel082(502)6304。

(2009年10月28日朝刊掲載)

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