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社説・コラム

参院選 あすへの1票 中国地域エネルギーフォーラム事務局長 合田隆一さん

中国地域エネルギーフォーラム事務局長 合田隆一さん(60)=広島市中区

エネ問題 冷静に見極めを

 中国地方で、経済団体と一緒にエネルギーの在り方を考える講演会を開いている。「産業の血液」と呼ばれる電気。安く、安定的な供給が、企業活動の土台だと伝えている。

 福島第1原発の事故で、全国50基の原発のうち48基が止まっている。代わりに動かす火力発電所の燃料費がかさみ、本年度は全国で3兆8千億円のコストが増える見通しだ。電気代に反映すれば、中小企業の負担が月70万円程度上がる。2人分の雇用に相当する額だ。

 運転コストの小さい太陽光発電にも期待するが、現時点では設置費が高い。夜に稼働できない弱点もあり、すぐに原子力の代わりを担うのは難しい。安い電気を守るには、再生可能エネルギーと原子力の二者択一ではなく、両者の上手な組み合わせが必要となる。

 各党が原発を語る選挙戦は、エネルギー問題を冷静に考える好機。火力、水力、風力も含め、幅広いエネルギー源の功罪を見極めたい。(山瀬隆弘)

(2013年7月12日朝刊掲載)

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