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社説・コラム

参院選 あすへの1票 上関原発計画の根っこを見る会代表 上里恵子さん

上里恵子さん(75)=下関市長府松小田中町

脱原発へ訴え見極めたい

 福島第1原発事故後、脱原発にかじを切った原子力政策は、安倍政権が原発維持へと再び針路を変えた。国民の命に関わる大きな変更は、参院選の最大の争点であるべきだ。しかし、衆参のねじれ解消や経済政策に注目が集まり、議論が尽くされないことに恐れを感じている。

 福島の事故原因は想定外の地震ではない。想定しようとしなかった国や電力会社の姿勢だ。建設ありきでデータを積み上げ、地震大国に「適地」をつくりあげてきたのではないか。十分な検証がなされたとは思えない。

 原発の廃炉には巨額の費用が必要。使用済み核燃料の最終処分場は決まらず、核のごみは増え続けている。最良の解決策は原発を持たないこと。実現に向けた政党や候補者の具体的な訴えを見極めたい。

 原発の是非は、再稼働や新設計画を抱える地域固有の問題ではない。核エネルギーを使い続けることが国にとって正しい選択なのか。政治家、有権者一人一人が問われている。(久保田剛)

(2013年7月13日朝刊掲載)

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