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社説・コラム

『ワレオモウ』 庚午中3年 森新さん 福島第1原発事故

人ごとと思わないで

 私は東日本大震災当時、福島市に住んでいました。福島第1原発の事故が起こり、家族とすぐに避難しました。避難先を転々とした後、仙台市に自主避難をしました。国は「直ちに健康に被害は及ばない」と言っていましたが、報道を通し、そうではない事実も明らかになりました。

 庚午中では気になる新聞記事を選んで感想を書く「ニュースノート」に取り組んでいます。私は震災に関する記事を選ぶことが多いです。仙台では震災後1カ月は給食がなく、備蓄の大切さをあらためて感じています。

 原発事故のあった福島の人々の生活は、今も変わっていません。農家は生活基盤の土地を奪われ、故郷に帰っても農業はできません。

 私は2012年春に広島に転居し、原発事故の状況について知らない人が多いのに驚きました。国は原発再稼働を急いでいますが、納得できません。多くの人に原発事故を自分のこととして考えてほしいです。

(2013年7月29日朝刊掲載)

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