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原爆ドラマ「千羽鶴幻想」 横浜の劇団が再演

■記者 漆原毅

 福山市出身の脚本家千葉多喜子さん=横浜市泉区=がシナリオを手掛け、1984年にテレビ化された原爆ドラマ「千羽鶴幻想」が、横浜市の市民劇団「ふぉんて」によって、25年ぶりに演劇としてよみがえることになった。

 「千羽鶴幻想」は原爆で引き裂かれた母子のきずなをテーマにした物語。1984年8月に2時間ドラマとして全国放映された。「ふぉんて」のメンバーが昨年、シナリオを読んで感銘を受け、公演を企画。千葉さんが半年がかりで舞台用に台本を書き直した。

 横浜市泉区民文化祭の一環として、31日と11月1日、同区民センターで上演する。入場無料。

 千葉さんは4歳から福山市内に疎開し、高校卒業まで過ごした。上京後にシナリオを学び「菊池寛ドラマ賞」などを受賞している。

 「千羽鶴幻想」は原爆をテーマにした最初の作品で「深い思い入れがある」と千葉さん。「温かい家庭を一瞬にして地獄に突き落とす原爆の非道は、繰り返し語り続けることが大切。広島でも上演する劇団が出てきてくれたらうれしい」と願っている。

(2009年10月30日朝刊掲載)

 

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