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日米同盟 在り方再検討 首相表明「思いやり」見直し 衆参代表質問

 鳩山由紀夫首相は29日午前、参院本会議で行われた所信表明演説に対する各党の代表質問で、日米安保条約改定から50年目の節目を来年迎えることを踏まえ「日米同盟の在り方について包括的なレビュー(再検討)を行いたい」と表明した。自ら掲げている「対等な同盟関係」構築に向け、幅広い分野で包括的な連携強化を図ることを念頭に置いた発言とみられる。

 これに関連し、首相は29日夕、官邸で記者団に「思いやり予算(在日米軍駐留経費負担)や日米地位協定、米軍普天間飛行場移設問題などを包括的に調査し、解決策を議論して結論を出したい」と述べた。再検討の背景について「(政権交代前は)野党だったので、すべての情報を知り得る環境になかった」と説明した。

 29日午後の衆院本会議で首相は在日米軍駐留経費負担について「わが国の負担をより効率的で効果的にするため包括的な見直しが必要」と指摘。

 侵略戦争と植民地支配を謝罪した「村山談話」について「新政権は歴史をまっすぐ正しく見詰める勇気を持った政権だ。談話の思いはこの政権でこそ尊重されなければならない」と述べ、踏襲する考えをあらためて表明、アジア重視を示した。

 午前の参院本会議で首相は群馬県の八ツ場(やんば)ダム建設中止方針に関し「衆院選マニフェスト(政権公約)に記されており、国民との直接の契約だ」と、撤回しない考えを強調。国と地方の協議機関の法制化について「早期に実現する。地方の自主財源の充実、強化に努める」と述べた。

 前原誠司国土交通相は公共事業に関し「しっかり検証して止めるものは止める。止めた場合の地元補償はしっかりやっていく」と述べ、徹底的な見直しに取り組む決意を強調した。

 社民党党首の福島瑞穂消費者行政担当相は普天間移設問題に関し「負担軽減につながらない形で基地の在り方を見直すのは3党連立合意の趣旨に沿わない」と述べ、県内移設反対を強調した。

 参院では民主党の輿石東参院議員会長、自民党の林芳正政審会長が質問。衆院では共産党の志位和夫委員長、社民党の重野安正幹事長が質問した。

(共同通信配信、2009年10月30日朝刊掲載)

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