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原爆症認定新制度 本格検討これから 方針めぐり被団協と溝

■記者 岡田浩平

 鳩山由紀夫首相が30日の参院代表質問で「被爆の実態を反映した新しい原爆症認定制度の創設」を明言した。衆院選の民主党マニフェスト(政権公約)に沿った発言だが、本格的な検討はまだ始まっていない。

 認定制度をめぐっては、長妻昭厚労相も就任直後の記者会見で見直しを検討する考えを表明。厚労省の長浜博行副大臣や山井和則政務官が、党被爆者問題議員懇談会の松本大輔事務局長(広島2区)たちから聞き取りをしたものの、新たな制度を具体化していく動きには至っていない。

 民主党は、野党時代から原爆症認定集団訴訟の全面解決に向け、認定制度の抜本見直しを主張。被爆者援護法の改正を目指した。これに対し、日本被団協は原爆症認定制度の見直しだけでなく、国家補償なども含めた援護法の改正を求め、方針は一致していない。

 訴訟の全国原告団長で被団協の山本英典事務局次長は「原爆被害の実態に沿う形で法全体の抜本改正を目指す時期に来ている。政府は被爆者の意向を踏まえた慎重な議論を」と求めている。

(2009年10月31日朝刊掲載)

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