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社説・コラム

『ひとこと』 戦争体験を講演 福本和正さん

 「戦争では、何でもない人が大勢死ぬ。そして助けることもできない」。10日、岩国市で開かれた「平和のための戦争展」で講演。年々、当時のことを話せる人が少なくなる中、風化させてはいけないと戦争体験を語った。

 戦時中、学徒動員先の呉海軍工廠(こうしょう)で、特攻兵器の人間魚雷の起爆装置製造に携わった。「勉強もせずに、毎日とんでもないものを造っていたと思う。自分の人生の中で非常に重たい」と振り返る。

 呉市では空襲も受けた。火の海の中、人が助けを求める叫び声が聞こえたが、どうすることもできなかった。「今でも忘れられない。二度と繰り返してはならない」(堀晋也)

(2013年8月15日朝刊掲載)

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