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救護被爆認定 広島市の新指針案に元原告側が意見書

■記者 東海右佐衛門直柄

 原爆投下後の救護などに当たった人たちの被爆者健康手帳の交付要件見直しで、手帳交付をめぐる広島地裁の訴訟で勝訴した元原告側が30日、広島市に対し、新指針案への意見書を提出した。新たな数値基準を「切り捨て」の基準としないよう求めた。

 弁護団名の意見書は、従来要件を緩和した新たな数値基準について「科学的根拠がなく、同意できない」と主張。審査の便宜上、新指針を運用する場合は(1)機械的に審査しない(2)積極的に被爆者と認める方向で審査する―の2点を明記するよう要求している。

 新指針案は市が3月の敗訴判決を受け、広島県、長崎県・市と作成し、21日に元原告側に提示。(1)被爆して負傷した者が15人以上収容されていた寺などの施設(2)同5人以上が収容された病室などの閉鎖空間―のいずれかにおおむね2日間いた場合などを要件とした。

 市原爆被害対策部は「審査実務では数値基準は必要。指針の表現は4県市で協議し、近く正式決定する」と説明。予定通り11月中に運用を始める方針だ。

(2009年10月31日朝刊掲載)

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