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広島・長崎市五輪検討委が初会合 北九州市が参加

■記者 滝川裕樹

 広島、長崎市は31日、2020年夏季五輪招致検討委員会の初会合を広島市役所で開いた。「共催はしない」との条件付きで北九州市が正式参加し、福岡市はアドバイザーの立場で同席した。五輪憲章が認めていない複数都市開催の可能性や財政面などの検討を進め、招致に名乗りを上げるかどうかを来年春までに決断する。

 広島市の秋葉忠利市長、長崎市の田上富久市長、北九州市は北橋健治市長の代理で橋本嘉一副市長が出席。福岡市は川島秀雄スポーツ部長たち2人が同席した。秋葉市長は「20年までに核兵器を廃絶し、記念する五輪を開こうとの夢に共感してもらい感謝する」とあいさつした。

 会長に秋葉市長、副会長に田上市長を選出。検討委事務局が検討課題として、複数都市開催の可能性のほか、政府の支援▽施設整備▽資金の調達方法▽競技団体の支援体制の構築▽各都市の役割分担▽宿泊施設の確保―を挙げた。

 田上市長は「過去の五輪をなぞるのではなく、新しい五輪を提案するのが最大のミッション」と強調。橋本副市長は「国威発揚でなく、核兵器廃絶と世界平和の開催意義を明確にすべきだ」とした。

 検討委にはほかに、長崎県大村市が参加の意向を表明。広島、長崎市は今後、近隣に加え、東京都や大阪府など被爆地五輪の意義を評価している都市にも参加や協力を呼び掛ける。

(2009年11月1日朝刊掲載)

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