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社説・コラム

『ひと・とき』 音楽家 大友良英さん

地元愛を曲に込めて

 原発事故のあった福島市で野外音楽イベント「フェスティバルFUKUSHIMA!」を開いて3年目。「広島編」として、広島市西区の横川シネマで昨年に続きライブを繰り広げた。今回のテーマは「盆踊り」。自作の「ええじゃないか音頭」で、「今夜は広島が地元」と盛り上がった。

 NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」の音楽を手掛け、一躍、時の人に。話題のテーマ曲と同時並行で書き下ろした音頭には、「ドラマと同様のメッセージ」がこもる。「いろんな地元があってええじゃないか」。放射線被害で帰る場所を失った人に寄り添う。

 横浜市生まれで、10代を福島市で過ごした。「盆踊りなんてダサイと思ってた。でも、やってみると楽しい。(ドラマのヒロインの)天野アキちゃんが言った『ダサイくらい我慢しろよ』ってせりふ。名言だよね」

 広島では、音楽仲間が替え歌交じりに音頭を歌った。「あまちゃんのテーマ曲が甲子園で響いたように、作った曲が自分の手を離れていくのがうれしい」(松本大典)

(2013年9月5日朝刊掲載)

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