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米留学生 被爆体験に涙 中区で被害の実態学ぶ

■記者 馬上稔子

 米国から同志社大(京都市)に留学している学生16人が31日、広島市中区の平和記念公園を訪れ、原爆被害の実態を学んだ。

 原爆資料館の見学後、12歳で被爆した松原美代子さん(77)=南区=が英語で体験を証言した。同級生を亡くしたり、負傷者であふれる市内を逃げ惑ったりした経験に聞き入った学生は「ひどいことをした米国を許せるのか」と質問。松原さんは米国でケロイドの治療を受けた経験も伝え、「助けてくれたのも米国人。みんなを愛したいから憎しみは捨てた」と笑顔で話した。

 学生は今年9月に来日。来年5月まで日本語や文化を学ぶ。初めて広島を訪れたカリフォルニア州ポモナ大3年のキンビア・アーノさん(19)は「当時の様子を想像して涙が出た。米国人として責任を感じた」と涙ぐんでいた。

(2009年11月1日朝刊掲載)

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