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社説・コラム

永田町発 秘密保護法案 日本維新の会国会議員団政調会長・片山虎之助氏(参院比例) 

疑念解く丁寧な議論を

 ―特定秘密保護法案をめぐり、日本維新の会は20日夜、自民、公明両党と修正合意しました。
 双方が努力して歩み寄った結果だが、満点ではない。例えば、特定秘密の指定の在り方を監視する独立機関の設置検討で合意したが、どんな組織をいつまでにつくるかはっきりしない。これから党内で話し合うが、いろんな評価があるだろう。トータルで考えたい。幹部間では今後も議論を尽くそうという話になった。

 ―修正案も含めて、具体的にどんなことを懸念していますか。
 一番の問題は、指定される秘密が広範囲で恣意(しい)的に決められる点だ。秘密がやたらに増え、政府は都合の悪いことを出さなくなったら困る。民主主義は知ることから始まる。「よらしむべし、知らしむべからず」という言葉がある。為政者が国民を従わせるだけで、情報を知らせない状況になる恐れがある。

 ―与党は今臨時国会での成立を目指しています。
 拙速だ。会期末まで2週間しかない。十分な議論ができるとは思えない。こういう大きい法案は、手間をかけ、時間をかけて審議すべきだ。地方公聴会を開く計画があるようだが、中央でも開くべきだ。

 秘密の扱いは、戦後70年近く手を付けてこなかった課題だ。国民は疑念や懸念を持っている。バタバタと決めずに継続審議にして、来年の通常国会で丁寧に議論した方がいい。

 ―与党と日本維新の会、みんなの党の今回の修正協議は、集団的自衛権の行使容認や憲法改正に向けた連携の地ならしとの見方があります。
 そもそも政府案は、出来が粗っぽくて評判が悪かった。与党だけでやると、批判を全て受けるため、強引に進めたくなかった面もある。野党の賛成を国民の説得材料にしたいのだろう。その上で、もっと難しい「次のこと」への布石にしたいという安倍政権の意図があるのかもしれない。(藤村潤平)

(2013年11月22日朝刊掲載)

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