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社説・コラム

永田町発 秘密保護法案 自民党副幹事長・寺田稔氏(広島5区) 

今国会で成立がベスト

 ―衆院国家安全保障に関する特別委員会委員として特定秘密保護法案を審議しました。
 審議を通じ、議論は深まった。指定される特定秘密のかなりの部分が安全保障の範囲に限定されることや、従来の取材活動では問題ないことなどが政府答弁で明らかになった。ただ、国民の中には心配に感じている人もいる。丁寧に議論し、懸念を拭い去らないといけない。

 ―与党と日本維新の会、みんなの党との修正協議は合意に達しました。
 例えば、日本維新の会との協議では、行政による恣意(しい)的な秘密指定の防止策が焦点になった。秘密指定の在り方を監視する独立機関の設置の検討を法案の付則に加えることで合意した。秘密の指定や解除の状況を国会に報告することも追加し、行政への監視機能は一段と高まった。

 修正協議でより良い法案になり、多くの国民に受け入れてもらえる環境ができた。

 ―法案の中で譲れない根幹部分は。
 日本は外国から「スパイ天国」と呼ばれ、実際に機密漏えい事件が起きた。国家を守る上で最高懲役10年の罰則は維持すべきだ。

 守るべき特定秘密である防衛、外交、(スパイ行為などの)特定有害活動、テロという4分野もそう。範囲が不明確で必要以上に拡大しかねないとの意見はあるが、4分野は限定された情報で相互に絡まっている。さらに限定すると支障が出る。

 ―財務省出身です。国家公務員が取材を受けることに萎縮する可能性はありませんか。
 全くない。特定秘密の範囲は限定され、私の経験を振り返っても問題ない。かつての同僚たちもそんな懸念はないと言っている。

 ―政府は「国家安全保障会議(日本版NSC)」創設関連法案とセットでの今国会成立を目指しています。特定秘密保護法案は今国会成立にこだわらず、慎重審議する考えは。
 外交・安保政策の司令塔となるNSCができても、特定秘密保護法がなければ友好国は流出を恐れて情報を提供してくれない。これらはペア。特定秘密保護法案は今国会で成立させるのがベストだ。(坂田茂)

(2013年11月23日朝刊掲載)

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