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社説・コラム

『この人』 ナガサキ・ユース代表団に選ばれた元中国新聞ジュニアライターの長崎大(長崎市)1年 西田千紗さん

被爆実相学び医師志す

 「国際会議に参加して、どれだけヒロシマ、ナガサキが知られているか、この目で見たい」。4月末からニューヨークで開かれる、核拡散防止条約(NPT)再検討会議の準備委員会を体感できる喜びを素直に表した。

 ヒロシマについて意識するようになったのは中学3年の春、中国新聞ジュニアライターになってから。「活動を通して、原爆や平和に関して、いろんな角度から捉えられるようになった」

 高校2年の秋まで約2年半続けたジュニアライター。戦争や紛争で傷ついている海外の子どもたちの存在を知り、世界を舞台に貢献したい、と思うようになった。

 核問題、特に放射線被害にも関心を持ち始めた。「医学的な視点で放射線が人体にどのような影響を与えるかを学び、分かりやすく世界中の人に伝えたい」。長崎大に原爆後障害医療研究所があるのを知り、同時に、海外で働ける医師になりたいと、「国際保健医療枠」での進学を決めた。

 ただ、入学してからは授業に追われる日々。核兵器の廃絶や平和な世界の実現について、周囲と語り合う機会に恵まれなかった。それだけに、今回の代表団メンバーとは「同じモチベーションを持った仲間と核について一緒に考えていきたい」と期待する。

 長崎市に住み、広島とのつながりが乏しい、とも感じている。「被爆という同じ経験をしているんだから、一緒にやっていければいい」。ナガサキ・ユース代表団とジュニアライターと共同での取り組みができれば、と思いを膨らませる。広島市西区出身。(二井理江)

(2014年1月15日朝刊掲載)

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