×

ニュース

広島・長崎五輪招致 「理念は一致」歓迎 JOC竹田会長 「複数都市」には慎重

■記者 下手義樹

 日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は6日、東京都内で中国新聞の取材に応じ、広島市と長崎市が2020年夏季五輪招致を検討していることに「開催を前向きに考えてくれる都市が出てきてくれた」と歓迎の意向を示した。一方で複数都市による共同開催という構想については、現状の規定では困難という見通しを明らかにした。

 竹田氏は、招致に向けて両市が理念として掲げる「平和」について、「国際オリンピック委員会(IOC)の理念と一致する」との考えを表明した。その上で、両市が招致活動をする上でのアドバイスや資料提供は、積極的に行っていく意向を示した。

 ただ、複数都市での開催については「現状でのIOCのルールでは難しい」と指摘。将来の五輪の姿としての共同開催に関しても「ここからはIOCの判断」と慎重な見方を示した。

 JOCは、2020年に日本として開催地に立候補するかを決めていない。また、2016年の招致に失敗した東京が2020年開催に向けて再挑戦するかどうかも、現時点では未定だ。

 竹田氏は、当面は2016年の敗因分析を進める方針を明らかにした。その過程で、他国の立候補の動きや世論の支持をにらみつつ、日本として招致が実現できる諸条件がそろうかどうかを見極めていく考えを示した。

(2009年11月8日朝刊掲載)

関連記事
広島・長崎市五輪検討委が初会合 北九州市が参加 (09年11月 4日)
広島・長崎五輪招致 検討 正式に伝達 秋葉市長らJOC訪問(09年10月15日)
急浮上 平和五輪 <上> 突然の宣言 (09年10月14日)

年別アーカイブ