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社説・コラム

『スポットライト』 中米グアテマラで教員指導通じ成長

元青年海外協力隊員 森山朋子さん(25)=大田市祖式町

 国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員として、山口大教育学部卒業直後の2011年6月から13年12月まで、中米グアテマラで教員に算数の教え方を指導。今月5日、地元の大田市祖式町で活動を振り返った。

 同国は1996年までの内戦の影響で、十分な教育を受けられずに教員になるケースも。最初は「教育の質が悪いのは給料を出さない政府のせい」と、教えることを拒まれたという。

 スペイン語への苦手意識も重なり、学校で教師に話し掛けられなくなった。その時、世話役の同僚が語り掛けた。「私たちには足りない部分がある。駄目な点を認めて変えないと何も変わらない。私はあなたから学んでいる」。教員経験のない自分への温かいまなざし。「一緒に成長しよう」と言われて胸が熱くなったという。

 「最近どう」「子どもたちの様子は」と、とにかく語り掛けるように努めた。学力テストの成績は上がり、教員たちの信頼を得た。「支えられることへの感謝を学んだ」と振り返る。

 日本で教員になるのが目標。「世界にはどこでも輝くことができる場所があることを伝えたい」(黒田健太郎)

(2014年3月18日朝刊掲載)

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