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社説・コラム

美術散歩 命の息吹 輝きに刻む

◎ゼロ・ヒガシダ展 6日まで。広島市中区上幟町、広島県立美術館県民ギャラリー

 東広島市にアトリエを構える彫刻家ゼロ・ヒガシダさんの近作展。ステンレスを主材に、生命感あふれる大小の秀作10点が並ぶ。

 「INORI Ⅱ」は天に祈る人がモチーフ。まばゆく光る金属の本体へ黒色の木材を組み合わせた。有機的なフォルムにいっそう命の息吹が宿る。昨年の新制作展で、37年ぶりに該当作が出た新制作協会賞を受けた。

 「生まれて死ぬ、その変化の内にあるはずの『命の形』を探り当てたい」と語る。遠大だが明快な意図が、作品に力を与えている。

 1958年広島市生まれ。東京芸術大大学院などを経て渡米し、腕を磨いた。(道面雅量)

(2014年4月4日朝刊掲載)

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