美術散歩 命の息吹 輝きに刻む
14年4月4日
◎ゼロ・ヒガシダ展 6日まで。広島市中区上幟町、広島県立美術館県民ギャラリー
東広島市にアトリエを構える彫刻家ゼロ・ヒガシダさんの近作展。ステンレスを主材に、生命感あふれる大小の秀作10点が並ぶ。
「INORI Ⅱ」は天に祈る人がモチーフ。まばゆく光る金属の本体へ黒色の木材を組み合わせた。有機的なフォルムにいっそう命の息吹が宿る。昨年の新制作展で、37年ぶりに該当作が出た新制作協会賞を受けた。
「生まれて死ぬ、その変化の内にあるはずの『命の形』を探り当てたい」と語る。遠大だが明快な意図が、作品に力を与えている。
1958年広島市生まれ。東京芸術大大学院などを経て渡米し、腕を磨いた。(道面雅量)
(2014年4月4日朝刊掲載)