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マレーシア研修 先住民の言語交え報告書 なぎさ高 

■記者 明知隼二

 今夏の研修旅行でマレーシア・サラワク州を訪れ、先住民イバン族との共同生活を体験した広島なぎさ高(広島市佐伯区)の生徒たちが、イバン語を交えた報告書づくりに取り組んでいる。10年以上続く研修で、報告書に現地語訳を採り入れるのは初めて。現地での配布も計画している。

 B5判32ページのカラー刷り。日英とイバン語を併記する。タイトルはイバン語で「お母さん」を意味する「インナイ」。ホームステイ先での取材を基に、架空の夫婦の物語を創作した。夫との出会い、子どもの誕生などの出来事を写真を交えて描き、夫婦や子育てをめぐる母親の考え方に迫る内容とする。

 今夏の研修で、昨年の報告書を英訳して持参したのがきっかけ。「イバン語版も作ってほしい」との住民の声に応え、生徒たちが発案した。参加した14人のうち4人が放課後や休日に集まって作業し、イバン語訳は現地旅行会社のスタッフが協力した。

 2年の水野紫陽花(さやか)さん(17)は「面白く読んでもらえるよう物語を構成するのは想像以上に大変でした」。藤井健太君(16)は「現地の人たちの反応が楽しみ」と期待を膨らませていた。

 千部を印刷。15日の文化祭では協力費500円で配布する。

(2009年11月11日朝刊掲載)

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