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水素貯蔵を共同研究 広島大と米ロスアラモス研究所 

■記者 境信重

 広島大先進機能物質研究センターは17日、米ロスアラモス国立研究所と、水素貯蔵材料の共同研究を進めるための部局間交流協定を結んだと発表した。現在主流の金属より軽く、多くの水素を蓄えられる非金属材料の開発が狙い。水素自動車の燃料タンク軽量化につながる素材という。

 両者は、水素をホウ素と窒素との化合物にして蓄える研究を進める。理論上、貯蔵できる水素は重量比で化合物の2割を占め、ハイブリッド車用のニッケル水素電池の10倍以上という。

 また、化合物は金属よりも軽く、水素自動車や燃料電池車に積む水素タンクに内蔵すれば、タンクの小型化や軽量化が期待できる。ホウ素や窒素はニッケルなどのレアメタル(希少金属)に比べ豊富で、材料が容易に手に入る利点もある。

 ロスアラモス国立研究所は広島、長崎に投下された原爆開発の拠点で、現在は水素貯蔵材料の分野にも力を入れている。広島大の高度な研究水準に注目し協定を持ち掛けた。両者は材料や水素の貯蔵や放出について研究し、研究員の交流も深める。

(2009年11月18日朝刊掲載)

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