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核密約調査 年明け公表 外相 月内決着予定 遅れる

 米軍核搭載艦船の日本通過・寄港を黙認してきた「核密約」など日米間の4密約の全容解明に向け、岡田克也外相が進めている外務省調査の最終報告書公表は、年明けにずれ込む方向になった。米軍普天間飛行場の移設問題が日米間の懸案に浮上。外交、国会日程が立て込む中、岡田氏は忙殺され、当初想定していた11月末の決着に狂いが生じた格好だ。

 18日の衆院外務委員会で岡田氏は「最終報告の年内公表は難しい」と表明。これに先立ち国会内で開かれた外務省政策会議では「作業は順調に進んでいる。11月末に報告を受ける」としながらも、公表までは「11月末から少なくとも1カ月、あるいはそれ以上かかる」との認識を示した。

 岡田氏は就任直後に「大臣命令」を発し、藪中三十二事務次官に調査を指示。9月25日の調査チーム発足後、11月には第三者による有識者会議を設置、同時並行で検証作業を進める構想だった。会見でも「時間をかけずに提言してもらいたい」と述べ、密約問題は11月末までに決着し、2010年度予算編成に臨む段取りを描いていた。

 しかし、就任1カ月のほぼ半分を海外出張に充て、その後も普天間問題やオバマ米大統領の初訪日準備、沖縄訪問、臨時国会対応で岡田氏はてんてこ舞い。こうした中、守秘義務も絡む有識者会議の人選は停滞。岡田氏サイドは11月中には設置したい意向だ。

 一方、密約の存在を確認した場合は、非核三原則との矛盾が生じるため、岡田氏がどう整合性をとるか苦慮しているとの指摘もある。

(2009年11月19日朝刊掲載)

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