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「黒い雨」演劇 核廃絶願う 神石高原の高蓋小 発表会で披露

■記者 山本堅太郎

 神石高原町立高蓋小の6年12人が21日、井伏鱒二の小説「黒い雨」を題材にした演劇を同小の学習発表会で披露する。小説を通じて町と原爆のつながりを学び、演劇に核廃絶の祈りを込める。

 劇は戦後、小説の主人公のモデルである同町小畠出身の故重松静馬氏と家族が原爆の被爆後遺症に苦しむ場面を中心に構成。後遺症で働くことができない静馬氏が町民から非難される様子や、静馬氏のめいが黒い雨を浴びたことを理由に結婚を破談にされるシーンなどを再現する。

 児童が、静馬氏の養子の重松文宏氏(73)から「黒い雨」について聞き取り学習をして、脚本にまとめた。

 10月から毎日1時間、演技の練習に取り組んできた。原爆投下後に広島に入った町民から当時の様子や人々の暮らしぶりも聞いたという。

 岡本匡史君(11)は「後遺症におびえて暮らしてきた被爆者のつらさをきちんと表現できれば」と話していた。

(2009年11月20日朝刊掲載)

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