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毒ガス治療 意見を交換 竹原でイラン医師

■記者 白石誠

 戦争による毒ガス被害者を治療するイランの専門医師たち8人が来日し24日、竹原市の呉共済病院忠海分院を訪れた。院内を視察し、毒ガス治療の現状について話し合った。

 分院は、旧日本軍の毒ガス製造工場があった大久野島の対岸に位置し、約4200人の患者カルテを保管。患者の病理研究をしている広島大大学院の井内康輝教授(病理学)が医師受け入れを進め、一行が訪れた。

 医師たちは森田直樹分院長と意見交換。イラン・イラク戦争での被害に5万人が苦しむ現状を訴えた。被害者が多く通うササン病院(テヘラン)との姉妹縁組も提案した。

 呼吸器内科のラスール・アリアンネジャド医師(41)は「小都市に立派な病院があり、治療を進めている」と感心していた。

 一行は25日には、広島市南区の県立広島病院と広島大病院で毒ガス被害者の治療に役立つ技術を学ぶ。研修の報告会を開き、28日に帰国する。

(2009年11月25日朝刊掲載)

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