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ひろしま国際貢献ネット カンボジアの平和教育支援

■記者 永山啓一

 広島県や地元の経済団体、教育機関、市民グループなど27団体でつくる「ひろしま国際貢献ネットワーク」は26日、県庁で総会を開き、カンボジアの平和教育への支援事業を新年度から本格化させる方針を決めた。県民に協力を呼び掛け、初年度の活動費の7割に当たる700万円を募金で集める計画だ。

 事業の中心は平和教育の教材作り。本年度、現地の小学校に算数の教材を提供した経験や人脈を生かし、カンボジアの歴史や文化を踏まえた教材を3年間かけて開発する。

 県内の研究者や教育関係者ら3-5人を派遣。広島の被爆と復興の歴史、カンボジアの紛争経験などについて現地の教育者や地域リーダーと話し合いながら、子どもたちが平和について考える教材を作りたいとしている。

 このほか、教員養成や健康診断、保健教育の支援、太陽光発電を利用したパソコンの普及などにも取り組む。

 ネットワーク委員長の川村健一広島経済大教授は「お金や物ではなく、被爆地広島ならではの人や心を育てる支援をしたい」と説明。4月以降、募金箱を公共施設や各団体の事務局などに設置し、市民や企業に協力を呼び掛ける。

解説 平和支援は共感が鍵
 カンボジアの平和教育への支援活動は、県内と現地の教育者らが協力し、新年度から3年かけて平和について考えるカンボジアの子ども向け教材を作る計画だ。

 ただ、活動資金の7割に当たる700万円は寄付頼み。ネットワークとしては、募金活動を通し、多くの県民を巻き込んだ運動になるよう盛り上げていきたい考えだ。

 物やお金の提供ではなく、平和教育という被爆地広島ならではの国際貢献活動である。成功に導くには、内戦からの復興を目指すカンボジアの現状や、支援の具体策を分かりやすく県民に伝え、いかに共感の輪を広げられるかが重要だ。

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