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被爆者岡田さん サミット首脳に広島訪問要請

■記者 森田裕美

 広島市東区の被爆者岡田恵美子さん(71)が、7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)に来日する、7カ国の首脳に被爆地訪問を求める手紙を送ったところ、米、英、ドイツから返事が届いた。いずれも日程の都合を理由にした断りの内容だが、ヒロシマや軍縮への思いが記された返信もあり、岡田さんは伝え続ける意義をかみしめている。

 「恐ろしい兵器が2度と使われないよう被爆地で直接見聞きしてほしい」。岡田さんは年明けから文案を練り、自身の被爆体験にも触れた。知人に翻訳してもらって米国に2月下旬、他の6カ国には3月末に送った。

 返信は4月18日に米国とドイツ、30日に英国から届いた。ドイツは、政府の核軍縮・不拡散担当のトップが、原爆犠牲者への哀悼の意や自国の核軍縮への取り組みをつづり「あなたの手紙は、核兵器のない世界を目指す私たちを励ましてくれる」とのメッセージを添えていた。

 米国は大統領補佐官、英国は首相秘書官が差出人。ともに訪問要請への感謝と断ったことへのおわびの気持ちが込められていた。

 岡田さんは「返事を書く時間だけでも、ヒロシマに心を寄せてもらえたと思うと率直にうれしい」と語り、被爆体験を語り継ぐ決意を新たにしていた。

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