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原爆資料館展示見直し 素案への市民意見募る 

■記者 桑田勇樹

 広島市は1日、原爆資料館(中区)の展示見直し基本計画素案への市民意見の募集を始める。限られた時間でも原爆の脅威を学べるよう被爆の実情を伝える資料を前半に集めるなどの内容。28日まで受け付け、本年度中の計画策定に反映する。

 素案では、東館にエスカレーターを新設し、3階を起点にする順路にした。入館者は、写真、映像で史実の全体像を把握する「導入展示」を5分程度で見学し、本館に移動。原爆の悲惨さを伝える遺品や被災写真、絵などのメーン展示に接する。この階には、入館者が感情を整理するための空間を新設する。

 その後、入館者は東館に戻り、3階で核兵器の最新の動向、2階で復興の歩みや平和への取り組みを学ぶ。1階には新たに、感想を話し合ったり、手紙を書いたりできる場所を配置する。

 現行は東館を1階から見学し、本館を出口にする順路。2003年度の調査で平均見学時間約45分のうち、被爆の実情を伝えるメーン展示の本館部分が約19分と短いことが判明。有識者でつくる基本計画検討委員会が改善策を協議してきた。

 市は素案を資料館や区役所で配るほか、資料館のホームページ(HP)などに概要版を掲載。専用用紙やHPで意見を受け付ける。

(2009年12月1日朝刊掲載)

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