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新核軍縮条約 米露首脳会談へ 早期締結に向け協議

 オバマ米大統領とロシアのメドベージェフ大統領は18日午後(日本時間19日未明)、コペンハーゲンで会談する。交渉が長引き、両大統領が目標としていた年内締結が見送られることになった第1次戦略兵器削減条約(START1)の後継核軍縮条約について、早期締結実現に向けた方策を協議。

 インタファクス通信によると、モスクワの軍事外交筋は18日、米ロ両国がジュネーブで行っている後継核軍縮条約の交渉が基本的な合意に達し、近く公式声明が出される可能性があると述べた。その一方で同筋は、条約文や付属文書などに関する技術的作業がまだ残っており、署名に向けた作業の完了までさらに数週間を要するとの見通しも示した。

 後継条約をめぐり両首脳は7月、双方が戦略核弾頭数を1675~1500、ミサイルなどの運搬手段を1100~500に制限することで合意。だが運搬手段の数え方や監視・検証措置の在り方などをめぐり細部で折り合いがつかず、交渉は年末年始休暇でいったん中断し、年明けに再開することとなっていた。

 史上初めて戦略核兵器の上限数を定めたSTART1は、発効から15年を迎えた今月5日に失効。米ロ両首脳は失効を前にした4日、後継条約成立まではSTART1の効力を維持することで合意しており、現在も有効な戦略攻撃兵器削減条約(モスクワ条約)には定めのない、双方の核戦力検証体制は維持されている。

 ストックホルム国際平和研究所の推計や米国務省によると、今年1月時点での配備済み戦略核弾頭数は米国が2202、ロシアが2787。運搬手段の総数は米国が1198、ロシアが814。

第1次戦略兵器削減条約(START1)
 米国とソ連(当時)が1991年に調印。双方が戦略核弾頭総数を6千に、大陸間弾道ミサイル(ICBM)や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、戦略爆撃機といった戦略核運搬手段の総数を1600に制限した。現地査察など厳格な検証規定も採用、核軍縮に大きく貢献した。米、ロシア両国は2001年、条約の削減義務履行の完了を発表。条約は2009年12月5日、期限切れを迎え失効した。

(共同通信配信、2009年12月19日朝刊掲載)

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